Q1
椿井木工舎は、「ツバイモッコウシャ」とお読みするんですね。
椿井木工舎の二宮大輔さん、「工房からの風」には、どのような作品を出品なさいますか?
A1
コーヒーメジャースプーンやジャムスプーン、トレーなどの生活雑貨、シンプルなスツール、それにナイフ作家さんとコラボで制作したフォールディングナイフなどを出品させていただきます。
現在定番として制作している作品は、自分が好きなことや、好きな人たちとの関わりの中で生まれてきたものが多いです。
コーヒーが好きで、最初に作ったコーヒーにまつわる道具。
そこで生まれたカフェのオーナーとのご縁で制作したトレー、大好きなジャム屋さんのためのジャムスプーン、趣味の登山でも使えるフォールディングナイフ。
自分が好きなことにまつわる道具を作り、そこから生まれた様々な人たちのと関わりでまた新たな道具が生まれていきました。
そんな人の繋がりと循環の中で生まれていった道具たちを、ぜひ見ていただければと思います。
Q2
椿井木工舎さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、そのお話をしてくださいますか?
A2
制作時に使用する治具(ジグ)と呼ばれる道具です。
作品の形状などに応じて、0.1mm代の精度で微調整をくりかえして、全て手作りで制作します。
一つの作品を作るために、10以上の治具を作ることもあります。
写真のものはコーヒーメジャーを作る際に使用する治具なんですが、工房で見ていただいた方からは「かわいい」という感想を多くいただきます。
システマチックなんだけどなんだか愛らしい、とても大切にしている道具です。
Q3
椿井木工舎さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
以前は自動車メーカーで車のデザインモデルを造る仕事をしていました。
生産性重視の工業的なものづくりと、職人的な手仕事が融合する、少し特殊な職場で培った経験を活かして、
「木」という自然素材で自分のものづくりがしたい思ったことがきっかけです。
その後、退職し木工を志して入学した技術専門校に在学中、転機となる大きな出会いがありました。
ある木工家の方で、ご縁をいただいたときは残念ながらすでに鬼籍に入られていたのですが、
その方が使用されていた機械や道具、材料の多くを引き継いで使わせていただくことになりました。
直接お話することは叶いませんでしたが、遺された作品、工房や道具、治具などから、多くのことを教わりました。
わたしの自身のものづくりは、前職の経験が種火となり、その後の出会いを経て、徐々に大きな火になりつつあると感じています。
二宮大輔さんの立ち上げた「椿井木工舎」。
美しい名前の工房ですね。併記して「ZWEI WOOD WORK」、ドイツ語で2。
日本の美しい文字にドイツ語をひそめたネーミングは、二宮さんのお仕事をどこか象徴しているような気もします。
明解なデザイン力を実際のかたちにするのは、「治具を使った効率的な加工」と「手仕事による加工」と二宮さんは言います。
「高品質な製品を効率的に作る」という考え方には、いわゆる「手仕事」に寄せられる情緒的な想いに頼るのではなく、手仕事でなければ生み出せない美しさを尊重する姿勢が伴っています。
と、ちょっと堅くご紹介してしまいましたが、まずは、見て、触ってみてください。
美しいのです。
ひとつが熟したフォルムなので、複数あるとその美しさが増幅していくような。
好きなことと関わりながら作り出す。
それは、好ましい人の輪の中から生み出されてきた幸せのかたちでもあります。
コーヒーの道具、カトラリー、スツール、ナイフ…。
椿井木工舎が生み出してきた木の道具が並ぶのは、おりひめ神社の手前。
きっと、治具への考え方など、興味関心のある方も多いのではないでしょうか。
ぜひ、ブースでお話しなさってみてくださいね。
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